はてなインターネット文学賞
「記憶に残っている、あの日」
🌱🌱🌱
最後尾から
ドリブルで駆け上がる
1人2人3人
昔は
15人抜きくらいして
ゴールまで
まっしぐら
仲間も相手も関係なく
抜きまくっていた
いつからだろう
仲間に気を使い
譲ってしまうようになったのは
自分でも行ける
だけど
ボールほしそうに
仲間が待っている
だったら
譲ろう
そんなふうに
なってしまったのは
いつからだろう
仲間だって困ってるよ
自分を抜き去って
ゴールまで行ってくれよ
そう思ってると思うよ
仲間の方が
ゴールに近かったらわかる
仲間の方が
前を向いているのならわかる
そんなパスは最高だって
🌱🌱🌱
でも、そうでないなら
譲らないで
チームにとって
よくはないよ
サッカーは
ゴールを決めること
勝つこと
みんなそれを望んでるんだから
1年前もずっと思ってた
パスを出したら終わり
スペースに動いても
もう2度と自分のところには
ボールは帰ってこないんだから
まず、ドリブルで最後の相手を交わした先に
仲間が2人も立ちはだかっている
そんな状況が
いまだにあるのは
あなたの責任でもある
おかしいんだから
ゴールに近付きもしないパスは
ミスとおなじ
そんなパス出してたら
レベルの低いチーム
みんなが
そう思われるんだから
分かってる?
あなたの存在はチームをだめにしている
『遠き日の あなた想う
4年後に どんなプレーを するの?
母は 楽しみに眺めていた
あの頃のあなたは 今のあなたに 満足ですか』